オランダ留学93日目:レポート課題
これまでは1テーマを設定して書いていましたが、それもだんだん面倒になってきたので、最近気づいたことや軽い日常を日記形式で書いていきます。
ペーパーの提出
授業は3つしかないのですが、それぞれかなり重い。しんどいです。
3つともペーパーが課されていて、筆記試験のようなものはないです。
2つが5000words、もう1つが6000‐7000wordsのレポート。
最終的な提出は1月末なのですが、それまでに多くの中間報告があります。
たとえば、10月末には、研究計画書の提出。
11月初~中旬には、教授と学生の前でプレゼンテーション。
その後、教授との個人面談を経て、12月23日(クリスマス前)に第一稿を提出。
このように、少しずつ修正を重ねながら、最終版を提出します。
しかも、最終提出のひと月前に、字数などの要件を満たした第一稿を提出しなければなりません。
日本の大学院でも、筆記試験のようなものはなく、レポートを提出しなければなりませんでした。
しかし、このように何度も面談の機会があったり、指導を受けるチャンスはあまりありません。
もちろん、大学院生なのだから、自分で計画して進めろということだとは思いますが。
ただ、僕個人としては、英語で読んで書いて…という過程自体がかなりしんどいので、何度も指導を受けられるのは非常にありがたいです。
今日も先生との面談があります。
こちらからアポイントを取れば、いつでも対応してくれるのでやはりありがたいですね。
感謝祭 Thakns giving day
昨日は、アメリカ伝統の祝祭日である感謝祭でした。
寮にあるキッチンでは、アメリカ人の女の子たちが一日中、パイなんかを焼いていて、何事かと思っていたのですが
話を聞くと、大々的なパーティを開くらしい。
1人5ユーロを払うと参加できるパーティのようでした。
参加しようかとも考えましたが、同じ寮にいる友達が夜ご飯を作ってくれていたので、それを食べることに。
半熟卵をのせた和風ボロネーゼ、とても美味しかったですね。
ちなみに、今日は感謝祭の翌日ということで、「ブラックフライデー」と呼ばれる日らしいです。
いろんなお店で20%オフのセールがやっているようです。
ちなみに、オランダの消費税は20%らしく、消費税分がオフということですね。
というか、そんなに消費税高いんだと改めて驚きました。
5%から8%にした結果、消費もかなり落ち込んでしまった日本とは違いますね(個人的には増税延期よりも減税するべきだと思っています)。
参照:http://mainichi.jp/articles/20160917/ddm/008/020/047000c
というか、オランダが高すぎないか、と思うのですが、どうやって比較すればいいのかよくわかりません。
たぶん、消費税そのもののパーセンテージだけで比較してもあまり意味なさそうです。
ただ、感覚として、けっこう高いんだなあと感じるというだけでした。
今日はこのあたりで。今後は軽い日記を書いていきます。
こんな記事も書いています
この記事は1か月前ですが、いまだに映画館で上映されていますね。
イギリスはとても近いので、やはり英語圏の文化として人気があるのでしょうね。
TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」はいいぞ
今年の9月からオランダに留学しています。
今回は留学とは何の関係もありませんが、オランダに来てからも楽しく聴いているラジオについて書いていきます。
古くて新しいラジオ
最近感じてるのは、ラジオがいま改めて面白いということだ。
もっとも古いメディアの一つである、ラジオ。
「若者のラジオ離れ」なんて言われてるのかは知らないが、年長世代が好むメディアであることは間違いない。
ネット動画サービスやウェブメディアに対して、伝統的な旧来型のメディアであるラジオ。
しかし、改めて考えてみると、ラジオというメディア特有の良さが存在することがわかる。
ラジオの良さ
いくつか、ラジオの良さを並べてみます。
- テレビに比べてじっくり話せる
- かといって、だらだらとはしない
- 視覚情報がないぶん、「議論」が重視される
- 実は、速報性にも優れている
まず、テレビに比べてラジオは時間の使い方がゆったりしている。
一
つのテーマについて、かなり長い時間話すことができるのだ。
ただ、そこまでだと、ニコニコ動画等と変わらないだろう。
ここで問題なのは、長いことそれ自体は質を保証しないということだ。
むしろ、質の低下を招きかねない。
例えば、だらだらと長いニコ生を集中して見ることは疲れる。
長いからっていいわけではないし、むしろ内容が薄くなることもある。
一方、ラジオは、放送時間は長いといえども、枠は決まっている。
今回オススメするTBSラジオ「Session22」は大体1時間ほどである。
この絶妙な長さが、有意義なディスカッションを成立させていると思う。
テレビより長く、ニコ動より短い、絶妙な長さ。
このあたりに、ラジオしかない良さがあるのかなと思う。
あと指摘しておきたいのは、速報性にも優れている点だ。
ラジオだから遅いなんてことは全くないし、むしろスピード感を感じることが多い。
荻上チキ Session22は凄い!
「荻上チキ・Session-22」というTBSラジオの番組がある。
大げさではなく、現在の日本のメディアで最先端を走っていると思う。
ここ3年くらいすっかりヘビーリスナーだ。
TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」では、一線で活躍する専門家をゲストに呼び、毎回1つのテーマで約1時間も議論している。
話題は多岐に渡り、政治・経済はもちろん、映画の話題も多いし、プロ野球特集などもあって楽しい。
で、一番の聴きどころは、何と言っても高いレベルの「議論」が成立しているところである。
これはテレビではなかなか拝めるものではない。
というか、どこに行っても聞けないようなハイレベルな議論が展開されていることが多い。
たしかに、テレビのニュース番組などでも「議論」を聞くことはできるが、大抵は怪しい専門家が根拠の乏しい自説を開陳するに留まってると思う。
NHKの「時論公論」や「クローズアップ現代」などはとても勉強になるが、あくまで正確な情報を得るためのもので、ヒリヒリした議論を聞けるような番組ではない。
その点、「Session-22」では一級の専門家達が、一般リスナーに対してもわかりやすく説明してくれるし、決してレベルを落とさずに高度な議論を行っている。
「Session-22」を聞いていると、「分かりやすい説明だな」と「う~ん、判断が難しい議論だな」という感覚が交互に襲ってくる。
あるテーマの番組を聞き終わると、「勉強になったな」と思うと同時に「もっと勉強しないといけないな」と思う。
こんなに知的刺激の強い番組は、僕にとって「Session-22」しかない。
というか、大学の授業にもあるか微妙かも。
あえて例えると、本当はお金を払うべきレベルの座談会を、毎回無料で聴けるという感じかな。
日本民間放送連盟賞、受賞おめでとうございます!
今回あえてこんな記事を書いたのは、他でもない「荻上チキ・Session-22」が日本民間放送連盟賞を受賞したからだ。
2年連続の快挙らしい。
サイトに掲載された写真を見て、「この人たちあの番組を作っているんだ…」と素直に尊敬の念がわいてきた。
これからも最先端を突っ走ってほしい。
ちなみに、放送は上のサイトで聴けますし、Youtubeにもたくさんアップされているので、ぜひ興味のあるテーマを聴いてみてください。
差別的(?)な「偏見ジョーク」がオランダで人気な理由
今年の9月からオランダに留学しています。
今回は、こちらオランダで人気のジョークについて考えたいと思います。
題名は「オランダ」としましたが、「国際社会」と言い換えても、割と通用するかなとは思います。
一応初めに書いておくと、オランダ人が差別的だとかそういうことを書こうとしているのでは全くありません。
オランダに来て、大学のオランダ人の友達や、寮で共に生活する友だちと話していて、
それだけ聞くと差別的な「偏見ジョーク」あるいは「ステレオタイプなジョーク」がやたら多いことに気づきました。
その理由について書いていきます。
寮で人気の「鉄板ネタ」
僕が住んでる寮は本当に国際色豊かで、この前ふとキッチンにいる人を数えてみたら、15人中14人が違う国から来ていました。
そんな国際色豊かな寮の中では、いわゆる「鉄板ネタ」があります。
その「鉄板ネタ」とは「人種」や「民族」に関するジョーク。
あえて偏見に満ちた言動をしたりジョークを飛ばすことで、「You're a racist!(お前レイシストやん!)」と言って笑い合います。
価値観の共有と、その確認
このジョークは、「多様性を認めること」とか「差別はいけないよね」という価値観を、お互いに共有しているからこそ可能なんだと理解していたが、
最近新たにその意味を考えていました。みんなやけに好きだから。
僕が最近思いついたのは、この種のステレオタイプなレイシストネタは、互いにそれらの価値観を確認する行為なのではないか、ということです。
あえて「イタリア人はこうだよね」とか面白おかしくモノマネしてみたり、
それに対して'You're a racist!'とツッコミを入れるのは、
そのようなステレオタイプをバカバカしいものとしてお互いに笑っているからこそ可能です。
トランプはある意味「大人気」
この意味で、こちらオランダではドナルド・トランプは「大人気」。
寮の中でも、トランプとヒラリーの演説は一大コンテンツで、みんな話題にしています。
「またあのトランプが馬鹿なことを言ったよ!」てな感じ。
これも、「トランプの発言は許せない」という大前提があって
そんなことは当たり前だからこそ、直接反対したり抗議したりするのではなく
ジョークとして笑うことで馬鹿にしようという態度です。
価値観の共有を常に互いに確認する
そして、これらのステレオタイプジョークは、
ある種のリベラルな価値観(「差別よくない」「多様性だいじ」)を共有していることを互いに確認する意味があるのではないか、と最近考えています。
価値観の共有が大前提になっているため、共有していないと笑うことができません。
そのジョークを言えること、ツッコミを入れられること、笑えることは、それ自体が価値観の共有を意味しています。
常に「ジョークを笑えること」を確認し、お互いに価値観を確認する。
そんな意味があるのではと最近考えています。
これからさらに深めて考えていきたいですね。
以前、こういう記事も書きました。この手の話題について考えることが多いです。
オバマ大統領について
今年の8月末からオランダに留学しています。今回はオバマ大統領について書かれた記事を読んで
いろいろ考えたことを書きます。
(寄稿)オバマとは何だったか 慶応大学教授・渡辺靖:朝日新聞デジタル
理想と現実
その一方で核兵器削減には慎重だった。
シリアでの化学兵器使用に対しては軍事力を使えなくて弱腰外交と批判され、その一方で地上軍を投入しない代わりにドローン攻撃に頼ったり。
アジアへのリバランスを訴えつつも、東アジアの安全保障環境はあまり改善されず。
バランスを取るのは難しい…
オバマケアを頑張って導入しようとしても、
共和党を主体とした議会に猛反発を受け、予算が通らなかった。
この記事にあるように、オバマの政治は、
理想と現実のバランスを取るのはこんなに難しいんだな…と実感させられた。
共和党の保守派からは反発されまくり、
一方の民主党リベラル派からも中途半端と揶揄され… という状況を見てかわいそうになること多かった。
あと印象的だったのは、大統領ってできること本当に限られてるんだな、ということ。 外交では、イランとの合意やキューバとの国交正常化など一見輝かしい成果は多かったように思う。
ただ、国内事項(銃規制、オバマケアなど)については、
議会の執拗な反発に最後まで泣かされてしまったんだなという印象が強い。
日本のような議院内閣制では、議会の第一党(立法)=内閣(行政)だから、大統領制とはちょっと事情が違う。
「日本の首相は就任直後、その華々しさや権限の大きさから、アメリカの大統領を羨ましがる。しかし、やがて大統領の方が日本の首相を羨ましがるようになる」というジョークを聞いたことあるが(中曽根・レーガンのロンヤスだったかもしれないが、よく覚えてない)、これはその文脈である。
議会中心へ…?
アメリカ議会関連のニュースを聞いたとき、大統領制って大変だな〜とよく思った。ただ、大統領がこれほど政治の中心になったのは割りと最近という話もあるし、議会を中心としたアメリカ政治へ戻っていってるのかもしれない。よくわからん。
理念の大切さ
「大統領の弱さ」が強烈に印象に残ったオバマだけど、やはり言葉の強さや大切さ、理念を訴えたことの重みは心に残っている。感動させられた人も多かったんじゃないだろうか。
オバマが「Yes, we can. Change!」なんて行って華々しく登場したのはとても印象的で、やはりミーハーな自分はオバマのスピーチを聞いてみたりしたものである。
この記事にあるように、「共和党のレーガン」のように、「民主党のオバマ」として人々が懐かしむ対象になるんだと思う。
同性婚が合憲という連邦裁判所の判決が出たときのオバマの写真、とてもチャーミングだったな。
オバマがアメリカにあるモスクに初めて訪問した時の演説、感動してしまって泣いてしまったもん(https://youtu.be/5ZugmaB_E4I)。
だめだ、すでに懐かしんでしまっている。。
『ブリジット・ジョーンズ』最新作をオランダで見ました
今年の8月末からオランダに留学しています。
今回は、現地で見た最新映画について書きます。
日本ではまだ未公開の、「ブリジット・ジョーンズ」シリーズ最新作
『Bridget Jones's baby 』(邦題:ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期)を見てきました。
それにしても変な邦題ですね。
そのまま『ブリジット・ジョーンズの赤ちゃん』とかでいいのでは。
ホラー映画みたいなタイトルになっちゃいますが。
『ローズマリーの赤ちゃん』的な。
以下、内容はそこそこに、映画館の様子を書いてみます。ネタバレなしでいきます。
ストーリー
日本版の予告編を見ていて驚いたのですが、決定的な要素が隠されていますね。
英語版では普通にそのことが中心のトレイラーなのに…。理由はよくわかりませんが、とりあえずここでは書かないでおきます。
内容のことをもっと書きたいのですが、ネタバレをしたいと何も書けないのですね。
とてもモヤモヤしますが…興味のある方は、英語版の予告編を見てください。
一応簡単にストーリーを書いておくと…
43歳になったブリジット・ジョーンズは、仕事はうまくいってるものの、恋愛はさっぱり。
誕生日でも、ひとり寂しく過ごしている。
そんな時、友人に連れられていったコンサート会場で、イケメン・ダンディなIT企業社長ジャックに出会う。
途端にジャックに夢中になってしまう。
一方、同時期に旧友のマークとも再開する。
マークにはもともと妻がいたが、現在は離婚協議中だ。
マークとの再会も楽しんでしまうブリジット・ジョーンズ。
今回もまた、ジャックとマークの間で揺れることになった。
さあ、どちらを選ぶ?!
…という感じです。
ブリジットの気をひこうと、ジャックとマークが奮闘する様子がおかしくて可愛らしかったですね。
内容はこの辺にしておいて、
以下、オランダの映画館の様子を書いていきます。
行き当たりばったりで見ることに
正直に言うと、『ブリジット・ジョーンズ』が見たくて映画館に行ったわけではなかったのです。
はじめ、『The Magnificent Seven』を見ようとしたのですが、チケットが売り切れ。
「なんでもいいや」と思って、『ブリジット・ジョーンズ』を見ようとチケットがあるか聞いたところ、こちらも売り切れ。
10分くらいどうするか考えたのち、仕方なく1時間後の映画を見ようとしたら、直前にキャンセルが出たようで「1枚残ってます」と言われ、それならばと見ることに。
『The Magnificent Seven』は、一昨年に見た『イコライザー』(デンゼル・ワシントン主演)の監督だったので、後々にでも見たいですね。
こんな感じで行き当たりばったりで見ることにした『ブリジット・ジョーンズ』ですが、
結論から言うと、とても楽しめました。
それは映画の内容もそうですが、何より映画館のおかげで楽しめたのが大きかったです。
映画体験
まず、映画体験として衝撃でした。
上映前はずっとガヤガヤしてるけど、映画がいよいよ始まる直前、暗くなった途端静まり返る。
この落差がワクワク感を増していきます。予告が結構長くて少し疲れてしまいましたが、ビールとポテチを食べながらだったので問題なかったです。
ちなみに、音声は英語で字幕はオランダ語です。ちょっと勉強にもなりました。
上映前から騒がしいと思っていたのですが、映画が始まってからさらに驚きました。
まず、反応がいちいち良い。
面白いシーンにはみんな笑うし、感動するシーンには「Oh...』という反応をする。
初めは圧倒されたけど、だんだん慣れていって、後半には爆笑していました。
たまに英語でついていけないジョークもあるんですが、他の人が笑っているポイントを考えたら、「あ、そういうことか」と納得して理解できたことも何度かありました。
言葉の微妙なニュアンスで笑わせるシーンも多くて、難しい場面もありましたが、周りに助けられましたね。
日本との違い
この点が、日本の映画館との一番の違いでした。
日本の映画館だと、あまり大きな声で笑っていると浮いてしまいますよね。
僕は以前、『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』(Jackass Presents: Bad Granpa)をミニシアターで見たのですが、
タイトルから察する通り、これはかなりのバカ映画です。
映画館へは笑いに行ったのですが、驚きました。
ほとんど誰も笑わないんですよ。
無理に声を出せ、というわけではないですよ。
でも、吹き出す人もほとんど誰もいないんです。
何度か吹き出してしまったのですが、むしろ横に座っていた人に少し睨まれました。
「なんのためにジャッカスを見に来てるんだよ」と正直思ってしまいました。
他にも、『キックアス2 ジャスティス・フォーエバー』を見た時も同じようなことがありました。
映画館では誰も笑っていなくて、自分だけ笑っていてほんとうに窮屈でした。
吉本新喜劇の観客で、ほとんど笑わない人っていないですよね?
笑いに来てるんだから、そりゃあ声に出して笑うわけです。
僕にとっては、コメディ映画も同じで
笑うために、楽しむために見にいきます。
なので、面白い場面では吹き出してしまうし、声に出して笑ってしまうこともあります。
それが許されない雰囲気の日本の映画館は少し窮屈に感じることもありました。
もちろん、シリアスな映画は静かでいいですけどね…。
一方のオランダの映画館は(僕が行ったところだけかもしれませんが)、観客はみんなよく笑うんですよね。
自然に声に出して笑ってしまう、というような感じです。
様々な態度があるとは思いますが、個人的には、こちらの態度のほうが好きですね。
窮屈じゃないし、家で見ているように、自然に映画を見れました。
あと何より、映画を見ていて楽しかったです。観客みんなで共有しているということなので。
応援上映
一応付け加えておくと、最近、日本でも応援上映というものが登場してきましたね。
僕は行ったことありませんが、日本に帰れば必ず行ってみたいと思います。
TBSラジオ『タマフル』で検証されていましたが、「やっぱり、みんなそうやって映画見たいよね」って少し感動しました。
『貞子VS伽椰子』の応援上映は行ってみたかったですね…。
少し脱線しましたが、オランダの映画館はとても楽しかったという話です。
今回見たのはコメディ映画だったので、またシリアスなものを見れば事情は違うかもしれません。
次はスリラーかホラー映画を見てみたいと思っています。
海外で中国人だと思われたとき、どう返答するか
先日、ケバブ屋(週1で通っている)でケバブを食べていると、順番待ちをしていた20代半ばくらいの女性にいきなり、"Hello, China town"と言われた。初めはその発言が理解できず、「ん?こいつはジャックニコルソン主演の映画『チャイナタウン』の話でもしてるのか?」とか考えてしまい少し混乱した。
もちろん彼女は名作映画の話をしたいわけではなかった。ニヤついたその顔を見て、「ああ、バカにしてきてるんだ。こちらを中国人だと思って差別したんだな」と察知した。
それに気付いたとき、どうしようもなく腹立ったが、そのまま否定して「中国人ではない、自分は日本から来た」というのもなんとなく憚られた。言葉が出なくなり、しばし相手を睨みつけた。「中国人ではない」と否定してみせるのも、差別の再生産のような気がしたのだ。否定するだけであれば、「中国人であれば差別されても仕方ない」と暗に認めることにはならないか。「中国人ではない」と否定するだけでは不十分で、「自分は中国人ではないが、中国人への差別は許さないぞ」まで言えたら完璧だったかな。まあ、そんなことすぐに言えるものではなく、喉の奥に何か詰まったように言葉が出てこなかったのが現実だ。
なんなら中国語(少しできる)で文句言ってもよかったなとも思ったが、あいにく、口をついて出るような文句は知らなかった。
結局、一緒にいた友達が「日本から来た」と説明してくれて、そいつは不服そうな顔で押し黙った。その後でも、やはりなんか言ってやろうかと思ったが、何も言わなかった。正確にいうと、何も言えなかった。
オランダで、中国人や台湾人の友達が何人かできた。みんなとても良いやつだ。僕が拙い中国語で自己紹介をすると、「とても発音がいいよ!」なんて言って褒めてくれる。学部生時代に途中で勉強をやめてしまったとはいえ、少しでも中国語を話せば掴みがいいし、会話はスムーズに始められる。今になって、中途半端な形にはなってしまっても、とりあえず勉強しておいてよかったと思う。
いま考えるのは、もし中国人や台湾人の友達と一緒にいるときにこういうことがあったら、自分はどのように行動すべきかということ。その時は、彼らの代わりに言い返さないといけないなと思う。そんな場面に遭遇したくないが、一応心の準備として。
今回はオランダだったが、以前ベルギーに行ったときも似たようなことがあった。友達と歩いていた自分を見るなり、「チナ、チナ」と言われた。ムカついたので、日本語で「馬鹿にすんな」と文句を言った。相手はニヤニヤしながらその場を去った。
間違われたからといって腹が立つわけではない
一応付け加えると、お店に入ったときに「ニーハオ」と言われれば「ニーハオ」と返している。訂正するのも面倒だし。帰るときには「再見!」とも言う。その仕方で間違われても腹は立たないし、間違えてるにせよ好意は感じるから、なんなら少し嬉しい。向こうからしたら相手の言葉で挨拶をしようとしてるわけで、気遣いは感じるからだ。
そうやって間違われることにいちいち腹を立てたりはしない。割合として多いから仕方ないんだと思うし、見分けがつかないんだろう。それはそれで失礼な話ではあるが。
ジャッキーの国か?
そういえば、「日本から来た」と自己紹介した時に「ジャッキー・チェンか?」と言われ、その質問には「イェスイェスイェス!」と答えた。ジャッキーに間違われるのは光栄だ。というか、人格形成に影響及ぼしてるし(小さい頃に『レッド・ブロンクス』と『酔拳』を繰り返し見た)、やはりあの質問にはイェスだった。
9月~10月初旬
久しぶりの更新。
到着した日から順に書いていたが、遡ることがだんだん面倒になってしまっていた。
イントロダクションウィーク
9月初め、ESNという留学生組織の主催するイントロダクション・ウィークがあった。1週間、毎日何かしらのイベントが開催された。クラブパーティ、コメディーナイト、スポーツ大会、各種交流会…。グループはあらかじめ決められており、約10人くらいと毎日顔を合わせることになったので、さすがに仲良くなれた。
といっても、早い会話にはなかなかついていけず、たまに辛い気持ちに。途中からなんとか聞き取れるようにもなったが、それでも発言ができない。しょうがないので、ほかの人の話を聞くことが多くなった。それはそれで楽しかったが。
イントロダクションウィークが終わり、大学が始まった。
週3コマの授業
僕の所属は、Modern History and International Relations(現代史と国際関係論)のコースである。2つの必修授業があり、Methodology(方法論)とTheory(理論)は水曜日に2時間ずつの計4時間。
方法論の授業では、国際関係論における歴史的アプローチについて考えることが多い。面白かったのが、第4回の授業時に「アラン・ソーカル事件」に関する一連の論文が参考文献になったことだ。馴染みがないとかではなく、そもそもの論文が意味不明なので日本語で検索して読んでみた。そこで気づいたが、2000年前後の時代のネットの雰囲気が良いなあということ。
例えば、こういうとても分かりやすい記事が、簡単に入手できるのだ。ほかにもWikipediaからリンクが多く貼られていて、それぞれが面白い。もとの論文や反論記事等も翻訳され、ネット上で読めるようになっている。デザインはとてもシンプルなもので懐かしい気持ちになるのだが、このような形でネット上で議論されていた時期があったんだな~と思う。
もう一つ、Reserch Seminar(研究演習)としてHistory,Culture,Politics of East Asia(東アジアの歴史、文化、政治)を受講している。日本研究を専門にする先生が開講しており、その先生の講演を日本で聞いたこともある。
「東アジアの~」を取ったのは、ヨーロッパの東アジアに対する視点が知りたいということと、あとは内容的に取っつきやすいからというのが正直な理由。英語論文ひとつにしても、読みやすさが段違いなのでやりやすい。かなり推測しながら読めるし。
やはり、中国への関心が高いなあと感じる。10人くらいの受講生の中に中国人留学生がいて、彼といろいろ話すうち仲良くなった。自己紹介とかなら少しだけ中国語できるので、それをきっかけに話すように。少しでも話せたら、かなり掴みがいいと思った。
近況
今はようやく落ち着いてきて、いい感じで授業に臨んでいる。
ただ、エッセーやレポート(Paper)を書かないといけないのでかなり忙しい。800Wordsのエッセーとかはなんとかなるのだが、レポートは4000~5000Wordsなので大変だ。
今朝、Methodologyの先生と面談し、課題や文献の探し方等についていろいろ話した。とても親身になって聞いてくれたので助かった。帰り際に「ありがとう」と言うと、「そりゃあ、教えるのが私の仕事だし。教えること自体も好きだしね。また来週も来てね」と言ってくれたので、また行こうと思う。”Door is Open!”と笑顔で言ってくれた。なんだか嬉しかった。