留学103日目:プレゼン、高身長オランダ、Netflixでリスニング
今年の8月末からオランダに留学しています。今回は、最近授業で行ったプレゼン、オランダ人が高身長&英語がうまい理由、Netflixを使ったリスニングの練習について。
History, Culture, Politics of East Asia
タイトルの通り、「東アジアの歴史・文化・政治」という授業を受けている。
その授業では、2人グループで毎回だれかが発表をしなければならない。
テーマはあらかじめ先生によって決められている。
日本・韓国・中国、各国の国内的な政治状況についてそれぞれ発表があったり、各国の間の関係について、より国際政治的な観点からの発表があったりした。
プレゼンの準備
9月から始まった授業も後半なので、今回は「アジアの地域主義と地域統合」がテーマだった。
僕は、ドイツから来た学生と2人でプレゼンすることになった。
彼は同じ寮に住んでいることもあり、授業外でもたまに話す仲だ。寮のキッチンでビールを飲んでいたりすると、たまに、彼も僕のキッチンに来て喋ったりする。
そんな彼とのプレゼンの準備は、初めはなかなか難しかった。
まず、与えられたテーマがざっくりしていて広い。どうするものかと二人で悩んでいて、「ヨーロッパと比較することにしよう」という話になった。
「なぜ、アジアではヨーロッパのような地域統合が進まなかったのか?」という問いを立てて、具体的には「なぜアジアにはNATOがないか」「なぜEUがないか」という問いに分割してお互いに調べることにした。
僕は安全保障的な側面から考えたいと思ったので、「なぜアジアにはNATOのような集団安全保障の組織が作られなかったか」を調べることにした。
文献を集め始めると、どうやら有名な問いのようだった。
ここで思い出したのだが、日本にいるときに大学の授業の課題文献として読んだことがあった。
- Hemmer C and Katzenstein P (2002) Why is there no NATO in Asia? Collective Identity, regionalism, and the origins of multilateralism. International Organization 56(3): 575-607
この論文は面白かったし、納得もできるものだったので使うことにした。
それと、新しいものを反映したほうがいいと思ったので、
- He K and Feng H (2010), ‘Why is there no NATO in Asia?’ revisited: Prospect theory, balance of threat, and US alliance strategies. European Journal of International Relations 18(2): 227-250
この論文も使った。とはいえ、政治心理学を応用したこの論文は論旨がいささか複雑で、論文自体の結論ではなく、先行研究をまとめてくれた部分を参照させてもらった。ちょっとずるい使い方だけど。
こんな感じで前半部分は無難にまとめて、後半は「ASEANの可能性」と題して、アジアに存在する地域機構の簡単な説明をすることにした。
そこでは、
ASEAN Regional Forum (ARF)
ASEAN Defense Menisters Meeting Plus (ADMM+)
East Asia Summit (EAS)
を簡単に紹介した。
「これらの機構とか会議は、問題の解決そのものよりも、議論の場を設定していること自体に価値がある。ヨーロッパと比較して何もないとみなされがちなアジアにおいて、中国や日本という大国と比して小さな国々によって構成されているASEANを媒介としたこれらの制度の存在は面白い」
という無難な結論にしておいた。
プレゼンのパートナーの方がすごい頑張ってくれて、スライドを40枚くらい作ってきていた。ちなみに僕は、本来のプレゼン時間20分から半分にして、自分の持ち時間を10分と設定し、そこから逆算して10枚しか作っていなかった。
彼は、TPPをまず詳しく紹介して、トランプの脱退宣言までを扱っていた。
あとは、中国が主導するAIIB(Asia Infrastructure Investment Bank)を説明し、中国側の代表者のスピーチ動画を流していた。この動画がとても印象的で、代表者の英語がとてもうまく論理的なもので、その場にいた全員が感心していた。
Singapore Forum 2015 Plenary Session 2: The Future of Asian Regionalism
この動画の、<4:35-9:10>だ。本当に印象的なので、リスニングの練習だと思って聞いてみてほしい。
40分位かかり、やっとプレゼンが終了したころ、心からホッとした。
オランダに来てから初めての(内容も評価されるという意味で)本格的なプレゼンだったので、かなり緊張してナーバスになっていたのだ。
先生からもけっこう高く評価され、ひとつ留意点として「安全保障や経済に絞り、ヨーロッパと比較しながら説明してくれたことは良かったけど、もっとIdentityやNormに注目してくれたほうがよかったね。RegionalismやIntegrationの議論だから」と言われた。
確かにその通りだという指摘で、それは今後の課題としていこう。
授業が終わり、プレゼンを一緒にした彼としばし談笑。
「批判がまったくされなかったのは、僕達が初めてじゃないかな?なんにせよ、君はよくやってくれたよ」と褒められ、素直にめちゃくちゃ嬉しかった。足を引っ張るんじゃないかという心配ばかりしていたので、よかったです。
一難去ってまた一難…
プレゼンがひとつうまくいったとはいえ、明後日には新たなプレゼンがひとつ。課題文献を100ページ読んできて、それの内容について批評するというもの。
正直、文献自体が難しい。「どうしたものか…」と困っていたので、先週発表していたオランダ人の女の子に色々と質問して教えてもらった。
彼女はまずは全て読んだ上で、要約をA4一枚にまとめていったそう。その上で、もう一度改めてレジュメを作り、その後にストーリーを考えていったんだとか。発表のときには、レジュメを読んでいる様子は全くなく、とても素晴らしいプレゼンだった。
「どうやればあんなにうまくスムーズに話せるの?」と聞くと、彼女は「練習したよ」と答えたので、そりゃそうかと思った。
「実は他の授業のプレゼンもあって、準備が全く進んでいない」と僕が言うと、「私は一日で準備したよ!頑張ってね!」と励まされた。頑張ろう。
う~ん、果たしてあと1日半くらいでうまく作れる気が全くしないのですが…。今日と明日はあんまり寝れないなあ…。
オランダ人は世界一身長が高く、英語がうまい
最後にちょっとだけ、オランダについて。
オランダ人は、平均身長が世界一らしい。男性で183センチ、女性で170センチだとか。
僕は179センチなので、オランダに来たら平均か少し低いくらいだ。
何より、背の高い女性が多く、僕と同じくらいの人ならそこら中にいる。
理由は、何世代にもわたって乳製品を食しているかららしく、そんな理由かいと少し思った。でも、本当らしいから面白い。
あと、非ネイティブスピーカーの国の中で、もっとも英語がうまいらしい。
それも不思議だったので、オランダ人の友達に聞くと「歌とかテレビとか、映画とか、子供の頃からすべて英語で見てきたよ。いろんな文化を英語で受容するのが当たり前って感じ」と言われた。
Netflixでリスニング練習
僕も、最近(といってもここ1年くらい)はリスニングの練習を兼ねて、英語字幕で映画やドラマを見たりしている。これが結構難しいのは、聞き取れててもよく意味がわからない時があるのだ。
そこで先日編み出したのは、Netflixを二画面で開き、片方は英語字幕、もう片方は日本語字幕で再生するというものだ。
これが効果てきめんで、めちゃくちゃ勉強になることがわかった。
と、いうか、僕の見ているドラマは固有名詞が多くて、そのへんでよく話がついていけないのがわかった。日本語字幕だと、劇中に出てくる映画や漫画の名前はそのまま「あの映画」とかに意訳(適当?)されてるので、その辺りを判断できるのは便利だ。
昔から「字幕無しで映画やドラマを楽しみたい」という目標があるが、これはめちゃくちゃハードルが高い話だと思う。
例えば、分かりやすいラブコメなんかは今でも字幕無しでけっこう分かる。一方で、日本語字幕をつけてもうまく意味がつかめない映画もあったりする。
要は「映画によって違う」という話でしかないわけだが、一応このことを念頭に置いておいたほうが無駄な挫折感を味わわずに済むんじゃないかなと。
以上、今回はプレゼンと、オランダ事情を少し、Netflixでリスニングの練習について書きました。
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そういえば、こちらの友人は193センチでした。高すぎ。