オランダ留学記とその後

2017年9月まで、オランダのグローニンゲン大学(RUG)へ留学していました。

Feb. 8, 2018 今学期の振り返り

今学期振り返り

2017年度2学期が終わった。

授業は先週にはもうすでに終わっていたので、あとはレポートを残すのみであったが、今日すべて提出し終えた。

授業はいま数えてみると、8つ取っていた。それと、学部時代に出ていたゼミにも参加していたので、合計9つの授業を受けていたことになる。多い。2学期はずっと忙しかった。

僕は修士課程にすでに1年半在籍していて、そこまで多くの授業を取る必要はなかったけど、せっかくなので多めに受講した。お金もったいないし。せっかくだから使い倒そうという発想で。

受けていた授業はいろいろだけど、今回は特に韓国語、西洋政治思想史、国際関係の理論と方法、これら3つの授業について、短い感想を書く。

韓国語

韓国語の授業では、これまでの言語学習を振り返りつつ、そこからどうやって勉強していくかについて示唆が得られた。今はたぶん中級レベルにいると思うけど、どうやればもっと上達するか。留学ができたら一番いいけど、たぶんできないので、自習で賄っていくしかない。先生から学習法についても教えてもらったので、これからは自分で勉強していくことになる。来学期が始まればオフィスアワーを利用できるとのことなので、それらも利用しつつ継続してやっていきたい。

西洋政治思想史

西洋政治思想史の授業では、なんと受講者が自分一人だった。先生とふたりで、Gertrude Himmelfarb, Victorian Minds: A Study of Intellectuals in Crisis and Ideologies in Transition(1995)を読んだ。これは後期ヴィクトリア朝時代のイギリス政治思想についての本。書きぶりは平易だけど、著者自身が博覧強記という感じで読んでいてためになった。

特に、最後の3回ほどの演習では、この時期に形成された社会ダーウィニズムや優性思想についての章を読んだが、とても興味深かった。先生との議論も楽しかった。

授業の形式は古典的な精読で、英語をじっくり読んでいくというもの。毎回、1・2ページしか進まない週も多かった。それだけに、先生からみっちりと英語の読み方を教えてもらえたのが良かった。

来学期も授業があるらしく、「あまり受講者もいなさそうだけど、君は興味ある?」と聞かれた。研究の進捗状況によって受講は判断するが、現時点ではなるべく出たいと思っている。先生は来年には定年で、授業が最後になるかもしれないというので。

国際関係論

国際関係の理論と方法では、特に国際関係論の論文を書く際の方法を学んだ。毎週課題に出される購読文献を読みこなすのはなかなか大変だったけど、同時に凄く楽しかった。少し辛い時もあったけど、今では受講して本当によかったなと思う。実際の論文を読みながら体で方法を会得していくという授業だったので、とても実践的だった。

オランダに留学していたころ、Ways of Knowing: Competing Methodologies in Social and Political Research (Palgrave, 2012) という国際関係論の方法論についての本をひたすら読んでいくという授業があった。この本には、Immanuel Wallersteinのコメントがあったので、定評のある本なのだと思う('This is a wonderful book, combining a clear exposition of the competing methodologies in the historical social sciences with a reasoned plea for methodological pluralism. Students and their teachers will learn a lot from it, as I myself have.' )。この本自体はとても勉強にはなったのだが、自分の修論にどう応用するかとなると、ちょっと微妙な授業だった。  ただ、こう書いているうちに読み返したくなったので、本棚を探してみよう。

まあ、方法論の授業にはそういう経験もあったので、修論を書き始める前に実践的な方法論の授業を受けれたのはよかったなと。

 

どの授業も予習・復習にけっこう時間かかったけど、おかげでとても充実していたし勉強になった。結局、平凡な感想になっちゃったけど。

 

 

Victorian Minds: A Study of Intellectuals in Crisis and Ideologies in Transition

Victorian Minds: A Study of Intellectuals in Crisis and Ideologies in Transition

 

 

 

Ways of Knowing: Competing Methodologies in Social and Political Research

Ways of Knowing: Competing Methodologies in Social and Political Research